この記事の要点
- 個人データを扱う会社は、漏えいなどを防ぐ安全管理措置を講じ、従業者を監督します(個人情報保護法23条・24条)。
- ガイドラインは技術的安全管理措置として、担当者と扱う範囲を限るアクセス制御と、使う人の識別・認証を挙げています。台帳の権限を分けるのはこのためです。
- 台帳を預けるクラウドの事業者に個人データの取扱いを委託する場合は、委託先の監督(25条)が求められます。
台帳の会社が負う義務
| 条文 | 中身 | 台帳での手当て |
|---|---|---|
| 23条 安全管理措置 | 個人データの漏えい、滅失、毀損の防止などのため、必要かつ適切な措置を講じる | 権限を分ける、書き出しを記録する、退職者の利用を止める |
| 24条 従業者の監督 | 従業者に個人データを扱わせるときは、必要かつ適切な監督を行う | 誰が見られるかを決め、使い方の決まりを伝える |
| 25条 委託先の監督 | 個人データの取扱いを委託するときは、委託先を必要かつ適切に監督する | 預け先の安全管理の中身を確かめる |
| 27条5項1号 委託 | 利用目的の達成に必要な範囲で取扱いを委託するときは、委託先は第三者に当たらない | 委託の範囲と目的をはっきりさせる |
権限の分け方
個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、講ずべき安全管理措置を、組織的・人的・物理的・技術的な措置などに分けて示しています。技術的安全管理措置の中では、担当者と扱う個人情報データベース等の範囲を限るための適切なアクセス制御と、システムを使う従業者が正当な権限を持つ人であることを識別して認証することを求めています。中小規模の事業者の例として、扱える機器と従業者をはっきりさせ、不要なアクセスを防ぐことも挙げられています。
台帳ごとに使う人を決める
顧客台帳は営業と事務、社員台帳は総務だけ、のように台帳ごとに分けます。
段階を決める
見るだけ・入力できる・管理できる(人を足す・書き出す)の段階に分けます。
気をつける項目を分ける
生年月日・口座・健康のことなど、特に気をつける項目は、管理する人だけが見られるようにします。
入る人を一人ずつにする
共用のパスワードをやめ、一人ずつの入り方にして、誰が使ったかを分かるようにします。
辞めた人を止める
退職・異動のときに、その日のうちに使えなくする手順を決めます。
クラウドに預けるときに確かめること
ガイドラインは委託先の監督として、適切な委託先の選定(委託先の安全管理措置が、委託元に求められる水準と少なくとも同等であることを事前に確かめる)、委託契約の締結(委託先での取扱いの状況を委託元が合理的に把握できることを盛り込むことが望ましい)、委託先での取扱状況の把握を挙げています。
- データを置く場所(国・地域)と、預け先が中身をどう扱うか(ほかの目的に使わないか)。
- 会社ごとにデータが分けられているか、権限を台帳・項目の単位で分けられるか。
- 誰がいつ書き出したか、権限を変えたかの記録が残るか。
- やめるときにデータを書き出せるか、いつ消えるか。
- 預け先がさらに使っている事業者(再委託先)が示されているか。
よくある質問
社員が少ない会社でも、権限を分ける必要がありますか?
安全管理措置は会社の規模にかかわらず求められます。ガイドラインは中小規模事業者向けの手法の例も示しているので、全部を一度に整えなくても、台帳ごとに使う人を決めることから始められます。
台帳の書き出しは、誰に許せばよいですか?
書き出すと、データが台帳の外に出ます。書き出しは管理する人に絞り、誰がいつ書き出したかを残しておくと、漏えいを防ぐうえでも、後から確かめるうえでも役に立ちます。
パートやアルバイトにも台帳を見せてよいですか?
仕事に要る範囲で見せることはできます。見るだけの段階にする、気をつける項目は見せない、辞めたらすぐ止める、の3つを決めておきます。
台帳おひっこしでできること
台帳おひっこしは、台帳ごとに「見るだけ・入力・管理」の権限を分けられ、管理する人だけが見られる「気をつける項目」を設定できます。書き出しや権限の変更は記録に残ります。
データの保存先は日本(東京)で、入れていただいた情報を AI の学習には使いません。給与・生年月日などの気をつける項目は別に保存し、台帳を管理できる人だけが見られます。
出典
- 個人情報の保護に関する法律(e-Gov 法令検索)第23条・第24条・第25条・第27条
- 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」
- 個人情報保護委員会「法令・ガイドライン等」
最終確認日
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