この記事の要点
- 移す前に、テーブル(シート)の数・行数・使う人・個人情報の有無を棚卸しします。
- 移すのは表の中身(データ)。Access のフォーム・レポート・マクロ・VBA の動きは、移し先で作り直すか、やめるかを決めます。
- 取り込んだら行数と合計で照合し、しばらく元の台帳と並べて使ってから切り替えます。
移す前に知っておくこと
Access のファイルには、データを入れるテーブルのほかに、入力のためのフォーム、印刷のためのレポート、検索や集計のためのクエリ、マクロや VBA が入っていることがあります。クラウドの台帳に移せるのは、ふつうはテーブルの中身(データ)と、列の名前・型・表どうしのつながりです。画面や帳票の動きは、移し先の機能で作り直すことになります。Microsoft の Dataverse への移行の案内でも、移るのは対応する型のデータだけで、対応しないデータは Access に残るとされています。
Microsoft の案内によると、Access のデータベースは1つあたり2GBまでです。大きくなったファイルを分けて使っている場合は、分かれたファイルもまとめて棚卸しします。
移し替えの7つの段
棚卸し
テーブル(Excel ならシート)ごとに、行数・使う人・更新の頻度・個人情報の有無・つながっている表を一覧にします。
やめる表を決める
使っていない表、集計の途中の表は移しません。移す表を絞ると、あとの照合も楽になります。
データを整える
見出しを1行にし、結合セル・小計の行をなくし、日付や会社名の書き方をそろえます。キーになる列(顧客番号など)を決めます。
取り込む
表ごとに取り込み、列の型(文字・数・金額・日付など)を決めます。値が欠けたり丸まったりしない型を選びます。
照合する
元のファイルと移した後で、行数・数の列の合計・キーの重複を比べます。合わなければ原因を直して取り込み直します。
並行運用
しばらくは元の台帳も残し、新しい台帳で入力した結果と照らし合わせます。元の台帳で増えた行だけを取り込める仕組みがあると便利です。
切り替える
入力先を新しい台帳に一本化し、元のファイルは読むだけにして日付つきで保管します。
つまずきやすい所
| 落とし穴 | 起きること | 手当て |
|---|---|---|
| 郵便番号や電話番号を数として取り込む | 先頭の0が消える | 文字の型で取り込む |
| 和暦と西暦が混ざっている | 日付として読めない行が出る | どちらかにそろえるか、和暦を読める型を選ぶ |
| 小数を含む金額 | 合計が少しずれる | 小数の桁を決めて比べる |
| 同じ顧客が2行ある | 集計が二重になる | キーの重複を取り込みの前に見つける |
| パスワード付きの Access のファイル | そのままでは読めないことがある | Access で開いて別の形式に書き出してから取り込む |
誰がやるか
台帳の中身を一番よく知っているのは、毎日使っている人です。移し替えの作業そのものは外に頼んでも、どの表が要るか、どの列が何を意味するかは社内で決めます。作った人が退職していて分からない列は、値を見て意味を推し量り、使っている人に確かめます。
よくある質問
どのくらいの期間、並行運用すればよいですか?
決まりはありません。月末の締めのように、台帳を一番使う時期を一度またぐと、足りない項目や手順に気づきやすくなります。
Access のレポートで出していた帳票はどうなりますか?
移し先の印刷や書き出しの機能で代わりになるかを確かめます。代わりにならない帳票は、作り直すか、書き出した CSV を Excel で整える運用にするかを決めます。
移し替えの間、今の台帳を止める必要はありますか?
並行運用にすれば止めずに進められます。元の台帳で増えた分を後から取り込み、切り替えの日を決めて入力先を一本にします。
台帳おひっこしでできること
台帳おひっこしは、Access(.accdb・.mdb)・Excel・CSV の表をブラウザの中で読み、列の型を推して取り込みます。キーの候補・重複・表どうしのつながりも見つけます。
取り込んだ表ごとに元のファイルとの照合結果を出し、Access を使い続ける間は元のファイルをもう一度入れて、違う行だけを取り込めます。移し替えの手伝い(有料)も承ります。
出典
- Microsoft サポート「Get started: Migrate Access data to Dataverse」
- Microsoft Learn「2026 年のサポート終了」
- Microsoft サポート「Excel の仕様と制限」
最終確認日
法令の個別の判断は、弁護士などの専門家にご確認ください。製品のサポートの情報は、各社の公式の発表でご確認ください。